TRON Legacy

不利な勝負でTRON越え!

 最高に面白かったです!全人生を肯定されたような思いでした!!なんだか理由がわからないけれどもウルウルきてしまいました…前作TRONが大好きだったので、凄く期待が高かったのですが、その期待を裏切らないというか、前作ほどの凄い衝撃はちょっとムリかなぁ…くらいのつもりで見たのですが、前作以上の衝撃がありました!!!!
 前作TRONはコンピューター自体が目新しい時期だったため、ワクワクドキドキがたっぷりでしたし、その思い出と一緒に名作化しているので永遠の思い出補正な感じで、そこを超えるのは宿命的に難しかったと思うんです。それに現在のコンピューターってiPadみたいなのも含め、昔に出たアイデアをゆっくりゆっくり現実化しているような状況だと思うので、前作のような革新的な概念の提示って難しいと思うんです…にも関わらず前作超えでした!

今回は遠慮無し!フルパワー!!

 TRONはコンピューターが珍しい時期だっただけに説明的な台詞やシーンも多かったし、ディズニー特有のファンタジーな感じに落とし込んでいたと思います。効果音や音楽の使い方やキャラクターの動きなんかが、白雪姫やダンボを彷彿させる感じでした。ある意味コンピューター世界の表現に遠慮があったっていうか「これでわかるかなぁ?」っていう弱気が見え隠れしていたと思います…とは、TRONだけ見た時は思わなかったのですが、TRON Legacyを見た後だとそう思います。
 もう「わかるよねっ!」って感じでいきなりです。細かい説明的な描写がないのでダイナミックです。TRON公開から色々と異世界の映画も出たし、コンピューターも日常のものになったので本来的に表現したかったところをガンガン出してきます。クラブやテクノ、トランスを人類が体験した後っていうのも大きいと思います。

「技術のディズニー」の面目躍如!

 もはや、ディズニー・プリンセス的なところで語られがちなのですが、ディズニーは技術集団でした。今で言うところのILMのような存在だったと思います。トーキー、カラーへの挑戦、マルチプレーン等の数々の革新的な方法の採用等、常に新技術への挑戦の歴史でした。
 今回のTRON Legacyもそんなディズニーの挑戦が感じられます。技術的にはどうだろう?あ、特に新規に何を使ったという事ではないと思うので、やっぱり違うかもしれないんですが、今回の暗くてブルーがグローしている独特の質感って実はありそうでなかったのではないでしょうか?仕上がりを見てマネするのは簡単そうで、これからのスタンダードになりそうですが、これをゼロから作り上げるのがさすがディズニーだと思います。TRON同様、「忘れていたけどほんとの自分の居場所はここだったんだ…」っていう不思議な既視感があります。
 3Dもびっくりショー的ではなくアンビエンス的な使用が多いのですが、3Dによる没入効果はハンパじゃなかったです。子供の頃に住んでいた家のシーンが地味ながら美しい3Dシーンだと思います。そしてエンドロールの3D使いがヤバかったです。最後の最後でも驚かされました…

Daft Punk抜擢の大英断!

 予想としてはダフトパンクのサントラはダメじゃないかなぁ〜って思ってました。フィルムにあわせてスコアを作っていく技術と、テクノのトラックをつくる技術とはまた別だと思うからです…過去テクノをサントラとして使った映画も何か唐突にテクノがかかる感じで、映画における音楽って難しいなぁってテクノを好きなだけに思っていました…ところが、ダフトパンクは「普通」にバッチリ仕上げていて驚きました…
 それとDaft PunkよりはTRON的な世界にはAlter EgoとかSpeedy Jのほうが良くない?と個人的には思うところはあったんですが、そういう懸念をぶっとばす出来でした。しばらくクラブに行けてない事もあって映画館のシステムで聞くエレクトロな音は新鮮な驚きがありました!ある意味Daft Punkも偉いんですが、抜擢したディズニーも偉い!って思います。

ディズニーの勇気!

 「闇の王子ディズニー」によると、TRONは高額の予算を投じたにも関わらず、興行的には大失敗で、ディズニーの株価は封切りの翌日に2.5ポイント下落し、ディズニーのスタジオの指導権をめぐって内紛まで起きた、いわばディズニーの鬼っ子です…そのTRONをリメイクではなく続編制作ですから…TRONはウォルト・ディズニー直系の最後の作品でもありますし何か因縁めいたものを感じます…

 [80年代からコンピューターが好き]
  AND
 [ゲームが好き]
  AND
 [TRONが好き]
  AND
 [テクノが好き]
  AND
 [クラブが好き]
  AND
 [息子がいる]

 、、、上記の条件を満たしている方には直球ストライクな映画だと思います。僕はまさにその通りなんですが、少数派だと思いますので普段は孤独感を感じています。なので、「あのディズニーが僕のために映画を作ってくれた!」って感じで大感激でした!ディズニーとして明確なマーケティング的な狙いがあったのか?それとも熱意だけで作ったのか?そこは謎なのですが、ディズニーの勇気とど根性を感じました!「俺たちはお姫様だけじゃあねぇぜっ!」みたいな…TRON Legacyが今回どのような最終的な評価になるかはまだ不明なのですが、TRON同様に将来映画史を俯瞰的に見た際に必ず重要作品となると思います。

TRON : Mickey Mouse

 驚きました!!!!TRONを見ていたら、観客への挑戦のように巨大なミッキーマウスが!ゼビウスで初めてアンドア・ジェネシスを見た時くらいの驚きでした。TRONって何回か見ていただけに今さら気づくなんて…「オイオイ!ディズニーは版権うるさいんだよ〜」って反射的に思ったんですが、TRONってディズニー映画なんですよね。
 「闇の王子ディズニー」によると、高額の予算を投じたにも関わらず、TRONは興行的には大失敗で、ディズニーの株価は封切りの翌日に2.5ポイント下落したのだそうです。そしてディズニーのスタジオの指導権をめぐって内紛を招く事になったのだそうです…とはいえ、TRONが無ければ今日のCGは無かったように思います。ディズニーが「何だか良くわからないもの」に大予算を投下したのは偉かったと思います。今のハリウッドでは「何だか良くわからないもの」に予算は出せなくなってきているような気がしますが、どうでしょう?

闇の王子ディズニー

闇の王子ディズニー
 昔いた会社の上司に、「一度は読め!」と言われていたのですが、今さらながらに読んでみました。ディズニーのスタッフは、毎日毎晩、グルングルンのわっはっは!、、、っていう話かなと思って読んでみたのですが、違いました。。。
 アニメーションに限らず、映像制作の仕事をしたい!!っていう志の高い方は、確かに一度読んでみたほうがいいと思います。ウォルト・ディズニーのまさに波瀾万丈な人生がわかります。
 FBIとの関係、出生の謎、アニメーターのストライキ、第一次大戦の偽ミヤゲ作り、アブ・アイワークスとの出会い、「しあわせウサギのオズワルド」シリーズのライセンス使用権のトラブル、ミッキーマウスの誕生、トーキーへの挑戦、「暴利をむさぼるユダヤ人」との闘い、資金繰り、テクニカラーへの挑戦、キャラクター商品、ディズニーブーム、ウォルトの独裁、厳しい内規、怪文書、スコッチにひたしたドーナツの朝食、庭での鉄道遊びと事故…白雪姫、ピノキオ、バンビ、ダンボ、ファンタジア…素晴らしい名作、そしてディズニーランドは、とんでもない混乱から生み出されていて、やっぱりディズニーって凄い!って思いました。